スクワットは難しい
ベンチプレス、デッドリフトと共にスクワットは、筋トレで最も効果を得られるとされる基本種目、BIG3に数えられます。
正しいフォームで行えば、大きなメリットを得られる一方で、多関節を同時に動かす必要があるため故障の危険が常につきまとうことも事実。
スクワットは基本種目でありながら、実は、大変難しい筋トレ種目でもあるのです。
本記事では、筋トレ上級者でも知らず知らずのうちに行ってしまっている4つの間違いとその改善方法を紹介します。
ついつい見落としがちなクセや細かな間違いをしっかり修正して、最大限の力で安全にスクワットをできるようにしましょう。
逆に、まだクセのついていない筋トレ初心者の方はラッキー。
この記事を読んで正しいフォームを身につけましょう。
改善点1:骨盤に適したスタンスを見つける
1つ目の改善点は、足のスタンスです。
「おいおい、自分のスタンスくらいわかっているよ」と思われるかもしれませんが、その足幅、つま先の向きは本当にあなたに合ったものでしょうか?
肩幅の1.5倍くらい、骨盤の幅と同じくらい、とアバウトになっていませんか?
人によって骨盤の構造は違います。自然にナロースタンスでスクワットができる人もいれば、反対に大腿骨のソケット部分が深くワイドスタンスでなければスクワットができない人もいます。
つま先の向きも同様です。
体の構造に適していないスタンスを使えば、故障の原因になるばかりか、関節をすり減らし神経を圧迫してしまうことも。
以下の方法を使って、足幅、足の角度が自分に合っているかもう一度見直しましょう。
適切な足幅を見つける
四つん這いになり、手を肩の、膝を骨盤の真下に置く。可能であれば足もピッタリ壁につけてしまいましょう。
そして腰を丸めないように、できるだけお尻とかかとを近づけます。
どこまで近づけられたかを体感として覚えましょう。
ここからは微調整に入ります。足と膝の幅をそれぞれ少しづつ広くして、どのように感じるか試してみましょう。
背中を曲げずに、腰を最も深く下ろせる位置が意味つけられるまで、微調整を続けます。
ベストなポジションが見つけられたら、そのまま立ち上がり、足の幅を記録しましょう。
適切なつま先の向きを見つける
次に記録した足幅で自重、もしくはウェイトなしのバーを使いスクワットを行います。
まずは、つま先を前方に向けて行いましょう。
違和感がある場合は、足幅は変えずにつま先の角度を少しだけ広くしてスクワットを行います。
腰が最も深く下ろせる位置を見つけられるまで、これを続けましょう。
これで理想のスタンスを手に入れることができました。
改善点2:バットウィンクを避ける
続いて、二つ目の改善点を見ていきましょう。
ここまでで最適なスタンスを手に入れることが出来ましたが、それでも十分ではありません。
スクワットで故障をしやすい姿勢ですが、上の画像のようにスクワット中に腰が丸まり、骨盤が後傾してしまっている状態です。
これを”バットウィンク”と呼びます。
このバットウィンクの姿勢でスクワットを続けていると、いずれ椎間板ヘルニアになってしまうと言われており、フォームの修正が必要です。
しかし、中にはバットウィンクの状態でも、それほど問題にはならない人もいますので、まずは自身の体にとってバットウィンクがどれほど深刻なダメージをもたらすか、簡単なスクリーニングテストを行いましょう。
バットウィンクのスクリーニングテスト
このスクリーニングテストは、腰痛のエキスパート、ステュアート・ミゲル氏によって開発されました。とてもシンプルですのでジムで実践してみましょう。
まず、ウェイトのついていない45lb(約20kg)のバーを用意します。
次にバックスクワットの姿勢を作ります。バーを肩の上に乗せましょう。
そして、交互に骨盤を前傾、後傾します。この運動を10往復ほど繰り返しましょう。
この運動中、全く痛みを感じなかった人はバットウィンクをしてもそれほど問題にはならないと言えるでしょう。もちろん、最終的に故障してしまう可能性は拭いきれませんが…
大半の人が違和感や痛みを感じると思われます。そういった方はバットウィンクを特に避けるべきです。
続いて、バットウィンクを避ける方法をみていきます。
パラレルで行う
最初の最も簡単な方法として、可動域を狭めることが有効です。
バットウィンクの原因の1つに足首の硬さが挙げられます。
足首が硬い人が深くスクワットでしゃがみ込もうとすると、足首の可動域が限界を迎えた時点から、
骨盤の後傾が始まり腰が丸まってしまうのです。
フルスクワットで深くしゃがみこみ過ぎず、腰を膝と同じ高さまで下げるパラレルスクワットを行いましょう。
かかとを高くする
また、足首の硬さからバットウィンクを起こしてしまう人はかかとの下にプレートを置いくことも有効です。
かかとの高いウェイトリフティングシューズを履いてもよいでしょう。
足首の柔軟性を高める
もちろん足首の柔軟性を鍛えることが直接的な解決策になります。
長期的なストレッチ等が必要にはなりますが、足首の可動域を高めて、バットウィンクの原因を減らしましょう。
改善点3:平衡感覚を鍛える
3つ目の改善点として平衡感覚の向上が挙げられます。
エリートパワーリフターを幾人も輩出してきたロシアのトレーニング理論では、
「片足立ちが25秒できない者はスクワットをする資格なし」
とされています。
それほど、スクワットにはバランス感覚が欠かせないということです。
私たちはスクワットの運動中、全く動いていないように見えて、実は前後左右に揺れています。
これを安定させるのが足の運動性・バランス感覚であり、安全で強度の高いスクワットにつながるのです。
では、どうすれば安定したスクワットができるようになるのでしょうか?
1つ目の方法:Dr.スチュアート・ミゲルの助言
スチュワート氏の紹介する方法は以下です。
まず、足の指を広げ根を張るように両足で立ちます。そして足首を使って全体の重心を前方に移動させます。つま先を床に押し付けて、足よりも前の空間に意識を向けましょう。
次に、再び足首を使って重心を今度はかかとの位置へ持ってくるようにしてください。これを繰り返します。
この繰り返しによって、大きな足が生えているようなイメージを得てください。
それができたら、ウェイトのついていないバーを背負いましょう。バックスクワットのポジションで、同じように前後に重心を移動させます。
このトレーニングはウェイトのバーから地面へ垂直に伸びるスラストラインの安定に有効です。
スラストラインの安定は足首、膝、骨盤など多くの関節を使って行われます。
中には、スラストラインを一直線して故障を避けようと思うがあまり、
腰を使ってしまうウェイトリフターがいます。
そういった方は特に足のバランス感覚を養うとよいでしょう。
2つ目の方法:足への意識を変えてスクワットの安定性を高める
続いての足の安定性を高める方法は、負荷の分配方法を学習することです。
まず、しっかりと地面を足で掴むように立ちます。
そして、意識を足裏の3点に向けます。かかと、親指の付け根、小指の付け根です。
この3点で安定した三角構造を作り出します。
スクワットをする際は、この3点に均等に重さが分配されるように心がけましょう。
改善点4:バーの軌道を一直線上にする
これでスクワット中の足の安定が得られました。最後に改善すべき点はスクワット中のバーの軌道です。
より重い重量をあげ、腰や膝に負担のないフォームを維持するためには、
バーの軌道がまっすぐであることが重要です。
よくある間違った例として、胸が前におち、お尻が上がってしまうフォームがあります。
これでは、立ち上がる際にバーの軌道が前方にずれてしまい、腰に負担がかかります。
バーを一直線にできない原因
では、何がこの状況を引き起こしているのでしょうか。
よく言われている原因としては、大腿四頭筋の筋力不足です。
しかし、メイヤーetcによる2014年のスクワットに関する論文では、
バーの軌道が不安定になる原因は、不完全な筋動員のパターンであるとされています。
つまり、適切なタイミングで適切な筋肉を使えていないということです。
これは筋肉を鍛えれば自然に直っていく問題ではありません。
スクワットを1から学び直す必要があるのです。
ダブルポーズスクワット
胸と臀部を同じ割合であげ、バーを一直線上に保つためには、
数週間ほど通常のスクワットをダブルポーズスクワットに変える必要があります。
ダブルポーズスクワットはその名の通り、スクワット中に2回静止する方法です。
まずは普段通りのスクワットでしゃがみこみ、ボトムの位置で1秒止まってください。
そして、半分ほど立ち上がったところで、もう1秒止まってください。そのまま立ち上がります。
適切なフォームをより安定するために、肘をしまううように肩甲骨を寄せましょう。バーを僧帽筋に引くようにしてください。
立ち上がる時には、背中の上部を使って天井に向かって、突き上げるようにバーを押し上げてください。
ダブルスクワットを行うときは、これまでの癖を直すために、かなり重量を下げなければなりません。
しかし、数週間ほど経つとダブルポーズスクワットがより自然に感じてくるはずです。
そうなった場合、通常のスクワットに戻す頃合いでしょう。
しっかりとトレーニングをしたら栄養補給も大切です!
忘れずにプロテインを摂りましょう。
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ジェレミーは、スクワットだけでなく1つ1つの種目でディティールにこだわる姿勢が
故障なくそれぞれの種目の効果を最大限引き出すことができると述べています。
自分のフォームに不安のある方もない方も、もう一度自分自身のトレーニングを見つめ直し、
より安全で効果的なトレーニングライフを楽しみましょう。
今回参考にした動画はこちら☜
ジェレミーの足首の可動域を上げる動画はこちら☜