二転三転と文科省の方針が変わり、当初検討されていた「聞く・話す・読む・書く」の4技能を測る民間試験の利用が見送られました。
当日出題された問題からはリスニング力を含め、実用できる英語への重視が明らかとなりました。
日本での英語教育の目的は古くから、大学で使用する論文を訳し理解する事であり、その内容も文法の知識及び和訳が中心でした。
国際化への機運が年々と高まっていく中、「使える英語」を目指すにあたり、日本の英語教育はどう変わっていくのでしょうか?
そして共通テスト英語科目はどこがどのように変わったのでしょうか?
リーディング
配点・試験時間
筆記200点がリーディングという呼称に変わり、100点の配点になりました。リスニングも100点になったため、よりリスニングに比重が置かれた形になります。
試験時間に関しては変更がなく、80分で行われました。
問題形式
リーディングは発音やアクセントの問題がなくなりました。
設問数は大問6問で変更がなく、回答数も54個から47個に減ったものの、全体で問題が6ページ増加しました。
SNSやホームページ、資料などを使用して読み解き問題が特徴的で、内容の正誤をダイレクトに聞く問題は減少しました。
総単語数
総語数は大幅に増え、約2800語だった単語数は約3900語にまで膨れ上がっています。
リスニング
配点・試験時間
リスニングの配点は50点から100点に増加され、リーディングと同じ配分になりました、
試験時間に特に変更はなく、60分のうち30分が解答時間でした。
問題形式
●設問数 大問4問→6問
●解答数 25個→37個
リスニングは、前回までのセンターでは音声が2回流れていましたが、共通テストでは、6問中4問が1回のみの放送となりました。
これまで基本的にアメリカ英語だった話者のアクセントですが、イギリスや日系の訛り、アクセントの話者が追加され、より複雑となりました。
問題内容も、リスニング内容を元に穴埋めを完成させたり、グラフの選択をさせたりなど、リーディングと同様、聞き取った内容をもとに考え、選択する問題が増えました。
総単語数
総語数は約1150語から約1450語になり、リーディングと同様こちらも増加しています。
まとめ
今回の共通テスト英語ですが、コメント欄には「模試と全く違った」という意見が目立ちました。
国際化が進む中、教育現場では英語教育のあり方も問われています。
実用できる英語とは一体なんなのか、その教育ができるだけの人材と環境は揃っているのか。
今後も注目していく必要がありそうです。